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1-3-3 ハイレグ・ユニを着た女教師

結論から先に言えば、その日、有希からの電話はかかってこなかった。
いやその日ばかりではない。次の日も、その明くる日も志方家の電話は鳴らなかったのだ。
もう誰にも頼れないと、和美は結論する。
大村校長に再度電話をするのが筋だろうが、とにかく有希にちょくせつ会えればすべては解決できるのだから、そうすればいいのである。
下校時に学校の正門で待ち伏せする。
部活が挟まれたってかまわない。
何時間でもそこに居続ければ、やがて有希も出てくるだろう。
高校では一学期の終業式が迫っており、夏休みに入ってしまうとますますスケジュールが読みにくくなる。
いっそう立てこんできた再開発反対運動の合間を縫って、ようやく時間の都合を付けた。
有希がマンションを出て行ってから半月近く経過していた。

その日、和美は午後になってマンションを出た。
本音をいえば登校時から待ち伏せたかった。合宿は終わっており、つまり再び早朝練習に入っているとすれば、部活顧問の出勤時間は、マンションにいた頃と同じとなるはずである。
しかし今回は諦めた。R高校は最寄り駅から徒歩十五分程度の閑静な住宅地に位置している。朝の時刻では人通りはほとんどなく、勤め人に見られるような衣装を選んだとしても、駅とは逆方向へ歩くのだし、朝帰りのような感じになってしまい、違和感で浮きまくるはず。それで学校の周辺をウロウロしていては、不審者として通報されるのは時間の問題と言っていい。学校周辺が警察のパトロール重点エリアであるのは元教師でなくとも知っているところである。
他に良い方法も思いつかないし、下校時でも遭遇するのは容易であろうと、学校のスケジュールに詳しい和美は楽観的に考えたのだった。
──今日も酷暑の一日で七月の太陽が容赦なく街を灼いている。
胸を広く開けた半袖のワンピースは、紫地に白のストライプの入った柄で彼女のプロポーションにも合い、涼しげであったし、麻の素材なので通気性も良かったが、発汗を止める手立てにはなってくれそうもない。ただしそのために用いる日傘とハンカチは、人相を人目から遮る道具としても重宝しそうである。
校舎が視界に入ってきた。
学び舎なりの独特の佇まいが感じられ、教師としての郷愁をくすぐられる気分である。
校門の近くに小川の流れる児童公園があり、涼を求める子供連れの主婦など、かなりの人通りがあったので、学校に出入りする人間や車両を観察する怪しい中年女を日常の景色の中に埋めこんでくれるのだった。
商店街の外れにあった自動販売機などにも行き来しつつ、授業の終了時間を待つ。
陽は傾いてきても気温は一向に下がらないし、湿度はかえって上がったように感じるくらいだ。
ようやく下校のチャイムが聴こえてくる。
それが鳴り終わらぬ前に、数人の男子生徒が全力疾走で校門から飛びだしてきて駅のほうへ走り去っていった。
どこも同じだわと和美はおかしく思った。必ずそういう生徒がいるのである。特急の帰宅部だ。
彼らの後、十分も経過すると多くの生徒たちが雑踏とともに下校し始めた。
夏期仕様の制服を着た彼ら──男女共学校の華やかさが満開だ。
少人数でグループを作っている者、一人で黙々と歩く者、他人の鞄をもたされている者、忘れ物をとりに戻る者、髪をとかしながら笑っている者、携帯電話を開きつつ他人にぶつかりながら前に進む者・・・
懐かしい下校風景に和美は胸が詰まる想いを味わった。もっと教師を続けていても良かったかもと、ふと甘酸っぱい寂寥の気持ちが去来する。
だがそんな感傷に浸ってばかりはいられなかった。
おおかたの生徒たちが四つ辻の東西南北へ見えなくなっていく頃、教員たちも帰宅の途についてくる。
担任をもたず、部活や生徒会にも携わっていない一握りのベテランなどは、ほらもう校門をくぐってスタスタと家路についていく。
もちろん有希は最も遅い帰宅のグループに属しているはずだった。担任同士の打ち合わせもあるし、部活にも付き合うだろう。陸上部は朝練に加えて通常の課外活動の時間帯にも練習をしているらしい。生活指導の仕事がある時にはこのまま居残るのが普通かもしれなかった。
しかしそれらはすべて可能性が高いというだけであって、100%を保証するものではない。何かの拍子に──他の教師と日程を交換するとか──平凡な時間にポッカリ帰宅する場合もあるだろう。和美がグラウンドのほうへ足を運んでみないのはそれがあるせいだった。グラウンドを金網越しに覗くのは不審すぎるし、ここに留まって目を凝らしているほうが確率は高いと考えている。
──和美は思わず回れ右をして校門へ背を向けた。
大村校長とおぼしき人物が出てきた。
同年輩の男性教師と談笑しながら連れ立って歩いている。
中肉中背で眼鏡をかけた風貌は以前と変わらないようだ。
和美にはまったく気づいていない。駅のほうへ闊歩していく。やがて見えなくなった。
肩をすくめながら日傘を折り畳んだ。もう顔を遮る役割も終了とみなして構わないだろう。R高校では和美の顔を知る関係者は彼だけだろうから、とりあえず警戒心を一段階低くしてもいい。
薄暗くなりつつある景色の中、バッグにしまい入れた。
(しまった。カツラかどうか確かめるのを忘れたわね)
心の余裕も出てきて、和美はふくらみのある唇をほんの少しほころばす。
さらに小一時間が経過して教師たちの帰宅も疎らになったが、有希はまだ現れなかった。
駅からの務め帰りの人波が始まった。
街灯が点きだした。
どうやら部活の最後まで辛抱強く待たねばならないらしい。
完全に太陽が沈めば、屋外の運動部の練習も当然終わりである。
スポーツ刈りの男子生徒や、ボーイッシュな髪型の女子生徒が集団を形成して下校していった。彼らはユニホーム姿であったりジャージ姿であったり、中には制服に戻っていたりと、様々な服装である。
しかしそれらの運動部員たちの流れがもう出尽くしたように途切れた後、早足で校門をくぐってきた一人の女性の姿を見て、和美は一瞬言葉を呑みこんだのだった。
(有希──)
それは黄昏の目にも間違うものではない我が娘本人であったが、彼女の出で立ちは不可解と言ってよかった。
少なくとも教員の衣装ではない。
額に締めた鉢巻きと両手首のリストバンドの包帯のような明るさがすぐ目についた。
ああこれは・・・と和美は咄嗟に思いつく。
陸上の選手が身につけるユニホームではないか。それも短距離ランナー用のセパレートタイプだ。
少しでも空気抵抗を稼ぐために、肌に密着するよう設計されたランニングウエアのトップとボトム──R高の校章と同色であるエビ茶色をして、有希の胸と臀部に貼りついている。
もちろん首から鎖骨を含む胸もとや、ストラップしか食いこんでいない両肩から両腕にかけて、下半身は両太腿からスニーカーまでの全部の肌が露出している。ただしゼッケンがバストのあたりからぶら下がる形で取りつけられているので、辛うじて臍窩と腹部は遮られていた。
それは、激しい練習に明け暮れ、生理を犠牲にするまで体脂肪を筋肉に変えた女子選手こそが、トラックに立つために着てだけ、ようやく違和感を覚えない種類の特殊な薄衣なのである。
駅前の繁華街へ通じる住宅地の一般道をこれで歩くのは・・・しかも有希の体格は豊満とはいえないものの成人女性の標準にはあるから、例えば双臀の厚みや腿肉の太さに生地の狭小な構成が対応しきれず、鼠蹊部の部分が想定以上に切れこんでしまっている。少し内股で歩こうとする努力が見られるのはそのせいだろう。
そんな仕草の上に、しきりに視線をさまよわすものだから、まるで何かに怯えているように映る有希──。
ひときわ明るい街灯の下に来たとき、和美は彼女のあらわになっている肌のほとんどがきつめに日焼けしているのに気づいたし、そのきわどいユニホームにひらひらと付いているゼッケンの数字も読めた。同時に鉢巻きにも真紅の文字が染め抜かれているのがわかる。
ゼッケンには『100』という赤数字。
鉢巻きのほうはどうやら『研修中』とあるようだった。
いったいこれは何なのか・・・。
三桁の数字が正規のメンバーを意味しないのは明らかだろうが、鉢巻きの文字といい、少なくとも顧問への敬意は感じられなかった。
呆気にとられていた和美だが、意思をとりもどし有希へ駆け寄ろうとする。
有希のふらつく視界にも、通りを一つ挟んだ小公園の境に女性の姿があって、こちらへ走ってくるのがわかったようだ。
和美は娘の名前を呼んだ。
その声にビクリと背筋を緊張させる有希。
声の主の正体を悟ったらしく彼女も何か叫ぼうとしたようだったが、それはすぐに急接近してきた自動車のエンジン音に掻き消されてしまった。
二台の車がやっとすれ違える程度の道幅なのに、その赤いコンバーチブルのスポーツカーは交差点をブレーキを軋ませながら右折し進入してくると、アクセルを噴かして速度を上げ、母と娘の間に割りこむように急停車する。
運転席には金色の長髪をなびかせた青年──肌は明らかにUVA焼けだ──がいて、サングラスをかけた顔を有希に向けている。片手をハンドルに置き、片手で助手席のドアを開けた。
一瞬、青年と、青年の向こう数メートル先に立ちすくんでいる母を見比べた有希だったが、慌てて助手席へ乗りこんだ。足を屈めた拍子にゼッケンがまくれ、縦長な臍──自分の唯一のストロングポイントだと有希は常々笑っていた──が下腹部の段々に畳みこまれているのが見えた。
「──早く出してっ──」
意外にも有希は金髪の青年にそう叫んだ。
その剣幕にきょとんとした感じの青年だったが、彼女の剥きだしの肩を抱き寄せ、コンバーチブルを急発進させた。
あっと叫ぶまもなく車は和美の追いつけぬ先へ遠ざかり、交差点をまたもやタイヤを鳴らしてカーブしていった。
「・・・」
残された母親は暗い公園の前で、車の消えた方角に向いたまま、ただ絶句するばかりだった。

その夜遅く、突如、有希から電話がかかってきた。
帰宅して浴室へ入っている最中だった。酷暑日の疲労と汗の不快感は、何もする気の起こらない一種のショック状態の和美の背中を押して、ノズルから放射される熱いシャワーの下に脱衣した裸体を自動人形のように立たせたのだった。
電話──!?
そんな予感もあったので、サニタリーの部分に電話の子機を接続していた。
慌てて浴室の中折れ扉を開け、腕を伸ばす。
湯気に包まれた身体を、半分、乗りだして受話器をとった。
「ゆうちゃん──」
お母さん?お母さん? と受話器の向こうから呼びかけてくる娘の声に、和美はそう答えるのが精一杯だった。
バスタオルで身体を包むのも忘れている。
何故かジーンと胸が詰まってしまう。
尋ねたい事柄は無数にあるはずなのに言葉が出てこない。彼女の声を何週間ぶりに聞くという事実だけで感動的で、すべてを許せるような気持ちになるのだ。逆に言えばそれほど今日、校門の前で目撃した情景が衝撃的だったともいえる。あまりに和美の常識と乖離していたし、これまでの志方家の営んできた母娘関係に照らしても、突飛で非現実的だった。とりあえず有希が無事である状況こそ重要に思えるのである。
「──元気なの、ゆうちゃん?」
並盛りの滑らかな胸にある乳輪は黒ラズベリーに仄近い色合いだったが、乳首は熱水刺激に充血し勃ち起きている。胯に生えた疎らな輪郭の陰毛が濡れ蒸されて雫を垂らしている。
ようやく和美は乾いたタオルを胴部に巻きつけた。
「──元気?」
「ええ、ええ、元気よ決まっているでしょう。そっちで暮らしているときよりずっと元気よ」
有希の言葉は非常に早口で、まくしたてるようでもある。何かに追い立てられている焦燥すら感じられる。
「誰かと暮らしているのね?」
母親の問いに、一瞬、間が開いたが、すぐに声が跳ね返ってきた。
「それは私のプライバシーだから詮索しないでちょうだい。時期が来たらちゃんと説明するから。悪いことは一つもしていないんだからね。娘を信じなさい」
「・・・」
「それよりお母さん、学校に来たでしょう。なぜ来たの? 駄目じゃない。私の職場でしょう。元教師の親が覗きに来たなんて、私の面目丸つぶれだわ」
「・・・悪いと思ったんだけど、心配で・・・」
「何言ってんの。私は子供じゃないのよ。いい加減、子離れしてよね。私が電話しなかったから来ちゃったんでしょう。それは悪かったです。謝ります。なので今夜ちゃんと電話しました。もう気が済んだでしょう。明日からもう来ないでよ。私に恥を掻かせないでよ。わかるわよねっ」
声が裏返りそうになるくらいの勢いである。有希の口から未だかつて発せられたことのない表現である。親にはもちろん大村校長のような人物にだって、そうした剥きだしの感情はあらわにしなかったはずだ。元気はいいのだが、戦略的で思索的に行動するタイプである。受話器を通して聴こえてくる彼女の言葉は別人のように直情的ではないか。
「・・・陸上競技を・・・やっているの・・・?」
濡れたままの黒髪から雫が滴り、頬を打った。
まだ瞼の裏に焼きついているユニホーム姿と謎だらけの『研修中』の文字。煩がられても尋ねずにはいられない。
「OBのコーチ、どうなの? 大丈夫?」
白磁の肩先と白陶の胸元が上気している。
声が詰まったように言葉が途切れる有希。矛盾なくその問いに返答できるとは到底思えなかった。
「・・・構わなくていい。心配しないで。こっちだって考えがあってやっているのだからね。リタイヤした人にどうのこうの言われたくないわよ。たしかにコーチとは確執が・・・いえ、中西先生への一方的な非礼はありましたが、先生の広い人間性はそれを赦され、現在では師弟の固い絆に結ばれていて・・・」
「ゆうちゃん? どうしたの? 何か変よ。周りに誰かいるの?」
和美が有希のどこか異様な雰囲気に気づき、少し強い口調で彼女の言葉に割りこんだ。
「お母さんには関係ないっ!」
驚くほどの大声で叱責された。
「とにかく二度と学校には来ないでちょうだい。こうして元気でいることがわかったんだから、じゅうぶんでしょう。私の仕事にはお母さんはもう必要ないの。お互いそれぞれの道を歩んでいきましょう。また連絡するから心配しないでね。いいわね」
語尾が薄れていき、電話が切られようとしている。
「ゆうちゃん、ゆうちゃん、もう学校にも行かないし干渉もしないから、せめて携帯だけは通じるようにしてちょうだい、ねっ?」
受話器の底で、かすかに言葉が聴こえたようだったがすぐに回線は不通になった。
娘との距離が再び彼方まで開いてしまった。
和美は電子的な警告音が高鳴るまで、受話器を耳に押しつけたまま立ち尽くす。
待望の娘との会話だったが、何一つ疑問は解けなかったし、疑惑は逆に深まる一方である。
シャワーはこのまま中断され、線の柔らかな白桃色の尻にパンツを履く。ブラはつけずシャツとスウェットを着た。

落ち着いてみよう。

親機で履歴を調べると、今の電話は番号非通知だったのが判明した。
頭髪を撫でるタオルが止まる。
有希の置かれている立場がどういう種類のものなのか、長い教師生活を過ごしてきた己のキャリアに照らしても、まったく想像もつかない。

整理してみよう。

1 学校内での有希の状況
2 私生活での有希の状況

問題はこの二つに還元できる可能性がある。ただし1と2が関連していないとは今のところ断言できない。

1について明確なのは、有希が陸上部のOBコーチに関する自説を変更したという点。
『思想の転向』と呼んでもいいくらいのギャップだ。
もしそれが事実だとすれば、驚愕の変化である。ひと月にも満たない短期的なスケールでの豹変だ。それをもたらした何らかの『力』が存在したとするしか考えられないのであって、家族として、また同じ信条を持つものとして、その『力』の合法性を追及するしかない。
もし『思想の転向』が偽装だとすれば、偽装主が誰であるかに関わらず、彼女の現在の状況の深刻さは、助けを必要とするレベルに違いない。
なぜなら──
第三者がそうさせているのであるなら、彼あるいは彼女が有希を脅迫してそうさせているのだから、犯罪か、ほぼ犯罪か、のどちらかであるだろう。
本人自身がそうした選択をしているのなら、犯罪か、ほぼ犯罪か、に対抗するための緊急避難ということだろう。
母親への攻撃的言動の意味するところも、前者であればそうした『犯罪性』を隠避するために有希の孤立化を図るための工作である。後者であれば、母親を『犯罪性』から遠ざけるための、娘の勇敢で犠牲的な行動になる。
──
1の分析を進めれば進めるほど、和美の冴えた眉は険しくなるばかりだ。
核心がR高校の陸上部、それもOBであるコーチの周辺にあるのは確実である。
中西某──いったいどのような人物なのか。
大村校長がその人間性を礼賛し、有希ほどのactivistに多大な影響力を行使して謎の転向劇を演じさせている・・・。
和美はやっと火照りの収まってきた頬にタオルをあてた。
先程までは潤みがちだった目に利発な思情が戻っている。
とても有希と交わした電話での約束──学校にも行かないし干渉もしない──を守る気にはなれない。もちろん今日のように学校へ直接出向くような真似は慎重にしなけばならないが、和美自身や夫が奉職中に培ってきた、教育界におけるネットワークを駆使しての情報収集は、さっそく始めたほうがいい。
和美は有希のユニホーム姿を改めて思いだす。
常軌を逸していると指摘して、いったいどんな反論が返ってくるというのだ。彼女を知る人間で言葉を失わない者はいないはずである。
あのスポーツカーの青年を除けばだが──
2については途方に暮れるしかない。
有希と彼が顔見知りであるのは残念ながら疑う余地はないようだ。
あんな格好で道端をウロウロしていた有希を青年は躊躇なく助手席へ招いていたし、肩を抱く彼の腕を有希は跳ねのけもしなかったのだから、単なる友人関係よりも深いものを想像しておかしくない。
だが、いかにも遊び人の風体は有希の最も嫌う種類の男性のそれである。スポーツカーが眼前に出現したときの表情や、彼への視線などから、甘い恋愛感情が彼女の側に存在するとも思われなかった。
この辺りを詳らかにするには、これもまたもう少し情報を掻き集める必要があるが、残念ながら和美のもつネットワークは学外の問題までを担当範囲にはしていない。素人の和美自身が動き回るのも埒が開かないだろう。
例えば興信所のようなところに依頼するくらいしか、妙案を考えつかなかった。
しかし手をこまねくつもりもない。伝手があろうがなかろうが、探偵捜索業務を引き受けてくれるところを洗いだし、乗りこむ決意だ。
娘の屈託のないあの笑顔を取り戻すため、母親は血眼になる気になっている。


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