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Captain's view 8

場所はあのディンギーが漂着した白浜のビーチに移っている。
この人数では室内は狭すぎた。
十数人の若者は三つのグループに分かれて、影の蒼い朝日が満たしたビーチに広がっている。
ようやくボーナスがあてがわれたのだ。
皆,浅黒い顔に白い歯を見せ,満面笑みであった。
私と幸子はパラソルを立ててテーブルと椅子を置き,ビールやパフェなどを楽しんでいた。
X島にはどんな文明の産物も揃っていた。
すでに大声を上げ始めている女奴隷もいた。
槌谷綾音である。
真紅のルージュをひいた唇を口角が切れるほどに開け拡げ,舌の根まで暴露させて叫んでいるのだ。
「気持ちいいっ、いいっ、いいっ、気持ちいいっっっ!」
彼女は砂地へ寝そべった若者に騎乗位になり、淫乱なM字開脚をきめてキュートなヒップを自ら上下させている。
「このチ××ン,このチ××ン,このチ××──────ンっっっ」
目も眉もねねの手によってメイクされているが,ルージュと同様,風俗店のステージへ登場するようなケバさだった。そんな目鼻立ちを陣痛に苦しむように激しく歪め,肉交の刺戟を狂ったように訴えつづけている綾音。筋肉質の両腕を鷲の羽のようにひろげて,左右に突っ立っている若者二人の股間を愛撫してもいる。親指と人差し指で作った輪をペニスへ通し,勤勉に扱きあげる行為を中心に,時折ぶら下がった二個の玉嚢を揚げたてのコロッケでも扱うように合わせ持って,騎乗位の発情した尻のバウンドが影響するのを巧みに避けつつ,柔揉みするというテクニックも挟みこんでいるのだった。
立っている三人目の男が腰を突きだしてくれば,こめかみや頬にひっついたその亀頭をカウパー腺液ごと丸呑みしていくのである。
複数の牡に満身で奉仕する姿には,ウインブルドンやローランギャロスで精悍に活躍したアスリートの面影は微塵も窺えないのだ。むろん体脂肪の絞りこまれたボディは依然として一般女性とはかけ離れていたけれど,それはこうしたアクロバティックな乱交にずいぶん適したものであるように見えてしまうから不思議である。大和撫子離れした小麦色の肌も海賊達と同化して違和感のなさに貢献している。
「オオオオオオ────────」と綾音が肉棒を吐きだして吼え始めた。
あれだけ盛んに腰を上下させられるなら,あれだけスムースに肉の杭を胎内へ沈められるなら,いつオルガスムスがきてもおかしくなかった。
ショートヘアのほつれ毛を額の生え際に揺らして,顔を滅茶苦茶に振る。
左右の手に握った陰茎を手すり代わりに引っ張った。
あっという間に左側の男が果て、彼女の横顔目掛けて射精した。
片目を塞ぎ,顎や耳から垂れ下がる黄濁。
綾音は大声を海原へ轟き渡らせるほど放った。
幸子は嘲笑する。
「因果よねぇ,体育会系出身の女奴隷って。青春をかけて鍛えた肺活量をあんなことにしか使えなくなるんだから」
「鯨と共通するものがある。捨てるところがないんだ。すべてが我々の伝統文化に有効活用できる」
砂の上に崩れ落ちた綾音の肢体を数人の男が抱え上げ,ポジションチェンジをしたあげく行為を続けようとした。なかなか目を覚まさない32歳妻の股間を一人の若者は素手でビンタし始めた。
スパンキングのような派手な音響ではなく,湿った鈍さが混じっているところを見ると,ヴァギナを直撃していると思われる。クリトリスごとだろう。三発目でクリアな悲鳴をつんざかせたから間違いない。
こうして若者の身体に騎乗させられた綾音はまた数本の男根を同時に悦ばせるセッションに従事しなくてはならなかった。
私は白い泡の層を啜りつつビールを一気飲みした。
咽の渇きがカッと痺れた。
腸に染み渡る冷えた液体。
綾音の声が流れていく紺碧の海は今日も水平線まで晴れ渡っている。

そういえば肌がふやけたように蒼白い男がその第二ラウンドには加わっていた。三井崇史である。若者達の後方に並び立ち,お粗末なペニスを片手で扱きながら,尺八の順番を待っている姿はどうみても泡沫ランクの猿男であった。槌谷夫人とはもう何度も情交を重ねており,表情に疾しさや昂揚感はない。ただ義務を果たすために居るといった風情。たしかにこの義務をこなさなければ食事を制限されてしまうという哀れな奴隷の身分であるのだが,そんな境遇にも馴致されきって緊張感や悲壮感はまるでない。大欠伸すらして退屈そうに視線を横へ向けている。
その数メートル先には自分の妻が輪姦されていた。
綾音とは種類の異なる残酷な扱われ方なのに,法律上の夫は欠伸をもう一度しただけだった。
・・・三井奈々子に対する若者達の扱いは復讐心がこもったものといえる。
エスペランサ3世号偽装襲撃の際,奈々子が最も反抗的な態度だったと言いがかりをつけたのだ。
無防備なビキニ&カーディガン姿に実弾入りの銃を突きつけられれば反抗などまったく出来ないはずだったが,彼らは彼女の目つきにまで言及してそう決めつけた。事実であろうとなかろうとそれを余興として楽しんでいるだけである。
犠牲者である奈々子は竹のような二本のポールと麻のロープにより四肢を平行に拘束されていた。
一本は肩に担ぐように、両腕を真っ直ぐに広げさせるため取りつけられた。
もう一本は180度の開脚を下肢に強いるため,足首と膝,太腿に緩みなく括りつけている。
彼女はそうして『土』の字にされ、丸裸の身体を全開して砂浜に倒されているのだ。
数分前は俯せで,今は仰向けと,まるで鰻の蒲焼き状態。炭火の代わりにソーラーレンジで焼いている。
まだ午前の序盤だというのに,奈々子の肌は赤く火照ってきていた。
ときおり若者四人がかりでそれぞれのポールの両端をつかみ,一気に空中へ持ちあげると,波打ち際まで運んで,海水に浸けたりもする。
「肌の火照りを収めるためだと思うか?」
私はパラソルのつくる影の範囲の外に突っ立っている腰ミノ姿のねねに尋ねた。
「・・・そのようにも見えますが・・・」
どう答えようが揚げ足を取られるので、彼女の声は自信なげにか細い。
「バカだね──」と幸子。テーブルの下に立てかけていた1メートルほどの細棒で女弁護士の太腿の裏側を打ちつけた。「──海水じゃ逆に炎症が傷むだけじゃないか。ああやってじわじわと拷問してるんだよ」
ねねがこの島まで足を伸ばしたのは何度目だろう。サイパンまでは多いがここは少ないはず。海賊達のお気に入り『蒲焼き責め』に遭遇するのは初めてなのだ。
「そうね。あれを体験したのはサクランボのほうよ。一昨年だったかな」
サクランボとはTVキャスターの平松久美子のこと。そうだった。理知的な雰囲気が奈々子と似ている彼女も海賊達に難癖をつけられ,あの通りの拷問を見舞われたのだった。
海に浸されれば同時に水責めである。顔面を沈められた人妻スッチーはなすすべなく呼吸困難に陥った。持ちあげられると判で押したように口から水を一筋噴き出す姿が哀れというしかない。
蒲焼きと水責めを何度か繰り返されると,彼女は悲鳴すら上げられないザマとなる。
しかし無反応は女奴隷にとって反抗よりも見せてはいけない態度である。
口々にブーイングする若者達はさっそく砂浜にポールをふたつ立てた。
高さは女の背丈程度。間隔は約2メートル。
乳房と局部を熱砂に押しつける伏臥に置かれていた奈々子は,腕用のポールを二人に引きあげられた。
そのまま洗濯掛けよろしく直立ポールの間に、渡すようにセットされたのだ。
ポールに全体重がぶら下がる。両肩は脱臼するような苦痛だろう。
美貌は苦しげに喘ぐばかり。
地面と水平開脚の両脚がブラックユーモアであった。筋が切断しそうな鼠蹊部に挟まれた,逆三角形の白い局部に陰毛の密集が鮮やかである。
若者の一人が揺れる奈々子の前に立ち,呪文を唱えるように何事か喋ると,途端に平手打ちをその局部の底に打ちこんだ。
奈々子は両眼をまん丸く見開き,牝猿のように咆哮した。
手を叩いて喜ぶ男達。女の『正気』が復活したのだ。そのための活入れであった。
ただし彼らの伝統芸──マxコビンタが一発で終わるわけがない。それからは発情させるのを目的で(?)入れ替わり立ち替わりにビシバシと張り手をかましていった。
「ヒィッ──────ッ」
殴られるたび、身体が反動で前後へ揺れる奈々子は人間としてのプライドをまったく喪失した声を轟かせた。
若者の中の一人はビー玉を弾くように人差し指をしならせ,性器の一点を撃ち飛ばした。
クリトリスへの虐待は女を処刑するようなものである。
絶叫はほとんど海鳥の叫喚に等しかった。
脚を一直線にしているポールがもし本物の竹であったら,彼女の股間を閉じ合わせようとする瞬間的な筋力はそれを折り曲げていたかもしれない。
無慈悲なマxコビンタと陰核撃ちに、背後からのアヌス叩きが加わった。
それは指で行うのではなかった。鉄製のスプーンの裏面が用いられた。サイズは男の親指大。慣れた指使いでムチムチの尻肉をはだけると,銀色の曲面をアヌスにあてがい,狙いを付けるようにタメを作って,手首のスナップだけで打ちつけた。
ギャッという声が元国際線CAの喉を震わせる。
三様の打擲が三様の絶叫を搾りとるのだった。それを面白がって順番にパーカッションしていく若者達。傍から眺めているとまるでトランスに陥った未開種族である。そう,これは一種の儀式のようなものなのだろう。生贄の女を中心とした典礼にちがいない。天上の神に届かせるように生贄の声は大きいほどいいのだ。
舌を噛むのではないかと危惧するほどの奈々子の狂乱がつづく。
黒髪の一本一本がひとつとして毛先を同じ方向へ向けていない。顔はもちろん汗で濡れた肩や胸元にべっとり貼りつくものもあれば,逆巻いて飛びあがったままのものもあった。
散々,三つの急所を攻撃した後,クリトリスを担当していた若者が無造作にその皮を剥きあげ,珊瑚色の突起を摘んで揉み潰し始めた。それまで手つかずだった,胸に息づいている乳房へも拷問が開始された。双つの乳首も容赦なく引っ張りだされる。
流木の小枝を割り箸のように加工し,重ね,両端を輪ゴムで留めると,簡単なクランプが出来上がるが,その中央に挟みこむのは言うまでもなく充血勃起したこの乳首と陰核だった。
三度の大絶叫が野鳥を飛び立たせた。
なんのストレスもなく前と後から挿入が試みられる。日本でいえば会社員が出勤のために空いた電車に乗る何気なさだった。
前はすんなりと遂げられたが,後はしくじりを何回か繰り返し,足場を何度か変更して,ペニスの高さと角度を調整しなければならなかった。それでも物理的な抵抗は皆無であったので,結局はねじこむのに成功する。
「・・・やめさせてぇ・・・」
必死に万田船長を捜し,奴隷としてありえない要求をほざく奈々子。
私はねねに注がせたビールのジョッキを乾杯のポーズに掲げてみせた。枝豆すら頬張ってやる。
もはや絶望しかない奈々子は,体罰を集中された交接器官を荒々しく扱われる苦しさに完全に心を引き戻された。
どちらか一人の姦淫であれば,吊り下げられた女体は暖簾のように心許なく揺れ動いただろうが,両面からのサンドイッチではピストンしてくる『突き力』のすべてを腫れた股間に受けとめなくてはならない。
つい五日前まで肛交未経験だった奈々子のアヌスはほとんど肉棒を呑みこんでおり,この島での急速な『成長』ぶりを物語っていた。この女の孔は何処をとっても男を失望させないきつさと柔軟性に富んでいるのだ。
しかしその結果,夢見心地の快感を得られるのは男ばかりではない。女自身も,自分の熟れた臓物がつくりだす肉欲の疼きを否定するわけにはいかないのである。
男達の胸板に挟まれた奈々子の表情は,悶苦の真っ直中からかなり軟化してきており,こみあげてくる淫乱な気持ち良さにうなされかけていた。
「目元が赤くなってきたじゃないの」
幸子は奈々子へ聴こえる声でそう指摘した。
「どんな格好でされても腰が振れるんだから,もうイッパシの肉奴隷だ。あと百回くらい気をやれば,東京に帰してやってもいいんだけどねぇ!」
希望で唆しているのか,絶望に輪をかけるつもりか,幸子の陰湿な野次はさすが万田船長の右腕というところだ。
激しく前後させていた腰をやや鎮めて,その隙に若者の手が膝小僧から太腿を優しく撫でていくと,29歳の人妻は明らかに気弱に首を振る。
木製クランプを嵌められた乳房が握りしめられる。
奈々子の赤ら顔が青空を無念そうに仰いだ。
結んでいた紅い唇が上下に開いていく。
健康的な小粒の歯並びが噛み合わさっているのが見えた。
さらに薄ピンクの歯茎があらわとなる。
そのまましばらく噛み縛っていたが,ついに我慢がプッツンして,前歯を開け放った。
苦痛からの絶叫とはちがう、歓喜のヨガリ声をその口は高らかに訴えった。
「信じらんないっ──これっっっ────信じらんないっっっっっ──────」
錯乱と呼ぶにふさわしい言動。鋭敏帯への体罰によって異様な極限状態に陥った感受性が,生まれて初めての二穴性交によって一皮も二皮も焼け崩れたに相違ない。
「これェェっっっ────イックゥゥゥッッッ────────」
仰け反ったまま,顎も外れよと大口になる。
眦が皺になったこめかみにまで吊りあがる。
言葉を失い,喉だけが鳴る。
その唸り声の中に,泡の破裂するような音が混じった。
前後二人の若者の身体も急激に硬直し,痙攣する。
オルガスムスへ噴き上げられた奈々子の体内に,大量のホットミルクが中出しされている。
第二段階が来る。
彼女は火の玉となった。
額の皺まで紅潮していた。
若者達が離れても,永遠に続くかと思うほど、『土』の字の身体は震えている。
失神した顔はガックリと伏せられたのに,嗚咽のようなその痙攣は途切れない。

新たな男二人がその全裸の身体を奈々子に密着させていった。
前を戴くのは海賊の一員で,後は堀部雄馬だ。
この男は三井奈々子の尻が大好きだと公言して憚らない下衆野郎である。とはいえ彼の正面,約数メートル前方で最も多い人数に囲まれて『可愛がられ』ている秀美について,彼が無感動な視線しか彷徨わせていないのは、三井崇史が妻奈々子へ送っている同種の視線ほど責められはしないだろう。
三井夫妻とは異なり,すでに堀部夫妻は絆を欠いており,その仲は赤の他人よりも隔たっているといってよかった。とくに夫の醒めぶりは私のマインドコントロール史上,一二を争う綺麗なかかり方である。秀美はハーフではなく純粋な外人であり我が国の文化を破壊しにきた工作員であると,完璧に信じこんでいるのだった。奈々子の尻を最初に犯した瞬間,雄馬が発した第一声が『恥ずかしながら祖国に帰ってまいりました!』だったから、私の『脚本』の浸透度は疑う余地がなかった。
・・・いや,夫などどうでもいい。
関心があるのは妻の様子である。
私が口笛を吹けば,人垣の輪の一部が割れて,その中の一部始終が目撃できるのだった。
彼らの足元に真っ白な女体がうずくまっている。
背中がそれ以上は無理というほど丸まっている。
右の手首と足首,左の手首と足首が,それぞれ麻のロープで縛られているために崩せない体勢なのだった。
日本でいえば『蟹縛り』であるのだが,彼らはこれを『ドードーの行進』と呼んでいた。ドードーとはインド洋モーリシャス島の絶滅した飛べない鳥のことである。インド洋は北マリアナ諸島のお隣さんだから,ここの文化にも何かと断片が入ってきて定着しているのだ。彼らがその名を口にすればそれは蔑称であった。欧米人の『ドンキー』と似た意味が込められている。女が『ドードーの行進』をさせられているのであるなら,彼女は最低の扱いを受けていると思っていいわけだ。
海賊青年部の一番人気である堀部秀美だからこそ、そんな目に遭っている。根底には目の上のたんこぶの極東人への複雑な感情があった。日本人は過去にこの土地を支配していたし、最近では中流の韓国人や成金の中国人が我が物のように闊歩している。そのハーフという美女を好きにできるのだからこれまでの鬱屈を倍返ししてやるチャンスと捉えている。それが『ドードーの行進』を選んだ理由なのだった。無教養でならず者の愚民が取り憑かれそうな理窟である。
別にこのパーティは彼らへのボーナスなのだから無礼講で問題はなく、彼らがそうしたいのならそれで構わない。ただし秀美にはとんだとばっちりだった。
手足への緊縛だけではなく,人間性を侮辱する幾つかの装飾が施されてもいるのである。
顔にはずんぐりした嘴の木製模型が口と鼻を覆うように取りつけられている。後頭部で紐を結んでおり猿轡のようなものだ。
美しいロングヘアはすべてを頭頂部へアップにされ,ネットをかぶせられてヘルメットのように固められていた。ドードー鳥の頭部はこんな感じなのだろうか。
退化した羽を象徴しているのが,ガラパンの民芸品店でも売っているラウハラで編まれた団扇だ。淡いベージュ色で銀杏の葉の形をして,人の顔より大きいサイズ。それを両腋に挟んでいる。落とせばもちろん彼らの逆鱗に触れることになる。
本物のドードー鳥は飛べないどころか、歩くのもヨチヨチ歩きだったらしいが『秀美ドードー』も見事にそれをシミュレーションしていた。砂地に沈む足を懸命に進ませようとするが何度も爪先をぶつけるように前へのめり,転がった。そのたびに大きく不格好な模造の嘴から顔面を砂へ突っこむのである。
女性IT技術者の悲鳴はマスクされ,まるで伝説化されているこの鳥のマヌケな鳴き声のように聴こえると,これは海賊達に大好評を博するのであった。
身体をクラウチングスタイルよろしく丸めているため,折り畳まれた太腿は胸へ押しつけられていた。自慢の巨乳はその押しくらになって水風船のようにサイドへはみ出すしかない。踵の上の巨臀とともに、女が肉の塊に貶められた象徴だった。
若者達の黒い手や足が嗜虐心の赴くまま,塊のあちらこちらを小突き回すのは必然だ。
速く歩けと尻をこじ開け,背中を踏み,頭をポカリとやり,乳房を抓った。
嘴をもって鼻面を引き回すようにもする。
腋を引き締めたり緩めたりして,二枚の団扇を辛うじてパタパタさせながら,パラソルの下で佇む私達の前にも連れてこられた。
「ずいぶん馴染んでるじゃないか。デカパイチビ!」
酔いのまわってきた幸子は大笑いしながら枝豆を掌に集めて嘴の前に差しだした。
「どうした食えよ。ドードーといえば鳩の仲間だろ。豆が嫌いなわけはないだろうが!」
わざわざ嘴を額までずらし、口に押しつけるまでやる。
「んんんんっ」
その一部は鼻孔にまで入り,秀美は情けなさを一杯に露出させた表情で喘いだ。
「へへへ、塩気がたっぷりだからねぇ。炎天下のビーチで遊んでいる身体にはいい補給になるよ」
私もビールを頭から注いでやった。ネットをかぶった大量の黒髪を透過して額の生え際から白泡混じりの黄金水が垂れてくる。耐えられぬ恥辱を耐えねばならない美貌──下唇が震えていた。
若者達はこの行進を気に入っているらしく,小一時間は秀美を歩かせ続けた。
全身ローションを塗ったように汗だくとなった状態で,秀美は倒れたままとうとう動けなくなった。しかしそうなってしまえば,次にくるのは休息時間ではなく凌辱の宴であることは明らかだった。
身体中に白砂が貼りついているのを落としてやりもせず,彼らは団扇と嘴を取り去り、頭部のネットを引き毟る。繊細な光沢をもつ長い黒髪は、潮焼けした縮れ毛の多い島女に慣れた彼らにとっては垂涎の希少宝石であった。
さっそく二三人で奪い合いが始まり,片手に握りしめたそれを己の鼻へ押しつけて匂いを嗅いだり,歯で噛んだりとやりたい放題だ。さらに上手がいて,つかんだ黒髪を男根がぶら下がる股間へもっていき,陰毛の溢れ返った根元へ巻きつけてしまったではないか。奇声を発し,快感を吹聴する若造の一物はみるみる勃起していった。横目で確認した他の何人かも,その醜悪な汚辱の方法に追随するのだ。とうとう、大量にあった秀美のロングヘアは四分割され,四人の男のペニスに連結されてしまう。
丸くなった蟹縛りのままの彼女の身体は数人掛かりで仰向けの横抱きにされているが,宙に浮いた状態の位置といえば,ちょうど彼らの股間の高さなのだった。
このグループのリーダー格がトランクスを膝下へ脱ぎ落とした。
赤銅色の男根はすでに勃起している。
四肢が左右へ割り裂かれていく。
身体を寄せる男。
秀美の悲鳴がその時を告げた。
リーダーは何事か感想を喚き立て,ピストンするのを我慢するように交接部分の融和と親和を堪能しているようだ。
頭をほとんど動かせない秀美は生え際奥まで曝け出した顔を真っ赤にして耐えているが,両サイドにひしめく若者達も全裸になって様々なサイズの肉棒を彼女の柔肌へ附着させてきたので、戦慄が衰えることはないだろう。
ゆっくりと,リーダーが腰を前後させ始めた。
狼狽えぶりが絶望的な秀美。万田船長に何度も犯されてそのつど女の本能を暴かれ,最後には望まぬ快楽絶頂を全身で申告するハメになった調教の記憶がフラッシュバックしているのだろう。
これほどの輪姦劇であっても一度倒錯を知ったオマxコは、羞恥に背を向けて欲情の昂まりへ迷走するものなのだ。その真実を自分はもう拒めないという絶望が秀美の呻きと喘ぎにはある。
彼女を囲むすべてのペニスが,リーダーのタイミングに合わせるように緩急をとりながら扱かれ,素肌を擦り立て,黒髪を巻き上げた。
やがて媚肉のチューブを衝いてくるリーダーの劣情が激しく伝わってくると,秀美は最後の瞬間が近いのを察知して、絶望すら置き去りにする妖しい昂奮に包まれるわけだ。
膣内発射とわずかな時差をもちながら海賊達全員が放出を遂げると,生臭い匂いが潮風に乗ってここまで流れてきた。
秀美のすべてが汚されていた。肌も体毛も精液が引っかからなかった部分はほとんどなかった。
あまりの衝撃に魂を抜かれたような放心状態となり果てた。
彼らはそんな彼女を波打ち際まで運んでいき,イチニのサンで海中へ投げ落とした。
二回戦に備え,精子を洗うためと気付けにするためなのだ。
荒々しく強引に息を吹き返させられた秀美はロープを解かれ,再び若者達の輪の中央に跪かされた。
サダコサダコと彼らが口々に嗤うように,濡れそぼったストレートの黒髪は美貌を完全に覆っている。
誰かが真ん中から左右へ同じ両の髪を掻き分けていく。
蒼白の美貌が現れた。日韓ハーフの聡明な目鼻立ちであるも、睫毛がしょぼついて鼻の頭はピンク色で唇は赤味を喪った,惨めな様相であった。
しかし海賊達は口笛を吹き,あるいは洪笑しながら、その顔を容赦なく掌で挟んでパチンパチンと打ちつけた。
彼らの断定によれば,冴えぬ表情はこのドードーの正体をまったく物語っていないのだという。
真実を露呈しているのは胸に息づいている双つの巨乳のほうである。
丸々と肥えた乳房は少しも悪びれることなく、その重さに負けぬ張りでもってツンと先端を上向かせているし,その先端に至っては,両民族の遺伝子を乗算したような巨きさの乳輪が薔薇色に発情し,太った乳首をビンビンに屹立させている。
つまり完全なる発情期のど真ん中にでんと胡座を掻いたのが実態なのだと彼らはあげつらっているのだった。
それを証明するように,多くの手が双乳へ伸びて,柔らかさと弾力に満ちた東洋の神秘をわしづかみ揉みこんでいく。
海で暮らす男達の無骨な指が肉に食いこみ、円やかさをいびつに練りこめるのである。
幸子が欠伸をした。
「見た目には痛そうに映るけど,経験者によると,案外デリケートにツボをタッチするんだって。病みつきになるそうよ」
「誰だ経験者って? ねねか?」
私は女弁護士の尻を撫でながら尋ねた。
「こんな貧乳じゃ、揉んでももらえないでしょ。なんてったっけ? あの女医・・・」
「ああ,あの巨乳ね」
私もバストのサイズは思いだせるのだが,名前はなかなか浮かんでこない。初期の頃からの奴隷だから本名など記憶の彼方だ。エスペランサ号の歴史も長くなったものだ。
それにしても,すべての日本男子の女の扱い方が草食系に思えてしまうほど、海賊達による秀美の乳房への陵虐は荒々しかった。これで『ツボを心得たタッチ』というのだから異文化コミュニケーションには驚嘆が付き物だ。
とくに乳首の嬲り方などどう見ても熾烈である。多くの指がワイパーをかけるように捏ねくり回している。今にも母乳が滴ってきそうなほど膨らんだ乳首は乳輪を引き連れるように折れ曲がった。
そうしながら乳肉全体を顎につくまで迫り上げ,あるいは左右を密着させ,根からギュウギュウ絞りこんだ。
しかし幸子の言葉を裏付ける変化もある。
秀美の眼の光だ。
虚ろで,魚のそれのようだったのが,今や混乱をきわめる落ち着きのなさが宿っている。自分のオッパイに対する残酷な扱いが燃えるような快美感を明らかにもたらしている事実に焦燥しているのだった。しかも下半身にはまだ一切触れられていない段階でだ。万田船長の言うとおり,洗脳された肉奴隷の自分を認めないわけにいかぬ進行である。
涙がその両眼から一筋,流れでた。
美しい人間の涙だ。
魂のある人間の最後の涙。
だからこそ美しいのである。
紅潮した双乳が解放されないまま,先ほどとはちがう若者が秀美を押し倒し,クンニからインサートを決めると,彼女の焦燥はたちまち敗北の泣き声へと変貌した。
腰に太い腕を巻かれて抱き起こされ,騎乗位にされるや、肉棒を咥えた巨臀を張られる。
それは当然,肛交開始の宣言というわけだ。
三重に絡まる男女の姿。
より傷ついた悲鳴がつんざいた。これは一種の噛ませ犬の意味合いもある。まだ慣れぬ肛撃による苦痛に比較すれば,オマxコのペニスの衝きあげなど子宮を撫でるビブラートに感じられてしまうではないか。昏迷した心身も快楽の弛緩に酔い,痺れることに逃げこむだろう。
この両面攻撃はセックスをよく知っている女体において有効なコンビネーションであった。苦しみだけを発生させている肛門もおいおい濡れた綿のように従順になって肉悦の巣となっていくはずである。

秀美が涎を垂らすように号泣する頃,彼女の周りの人だかりは三倍に増えていた。
綾音と奈々子を犯していたグループが合流したからだ。一足先に,気絶するまで奴隷達を責め抜いた彼らは,浜辺にポールを立て,二人の人妻をX字型に磔にして並べ,休息させたのである。手が空けば,隣の芝生を覗かずにはいられないのだ。
「もう,いっ──いやぁっ──────」
枯れきった声は痛々しくも色気づいていた。通常の規模のオルガスムスは数えきれないくらいやらかしている。今,彼女が訴えているのは最大級の波が迫っている事実であった。
二穴を埋め尽くした肉棒は技巧を凝らした動きからギアチェンジし,力とスピードを正面から叩きこむ強攻策を見せている。異様に艶々した頭髪がダイナミックに打ち振られた。
「ヒッ!」
青い炎が導火線に点火されたのだろう。
消火作業のすべはない。
最後は一気に火花が脳天に達する。
「ハグェタ!」
秀美の喉は聞き覚えのない言葉を吼え立てた。
私の股間が同時に暴発した。それはおそらく韓国語でエクスタシーの瞬間を伝える単語なのだ。彼女の脳は私のコマンドを忠実に実行したのである。
夫に劣らぬ美しいマインドコントロールの縛りだった。
箍が嵌ったのだ。
数十分後,キム・スミも綾音と奈々子の隣に架刑された。
XXX──。
ここからしばらくは海賊の中の有志が目の前の魅力的な尻や乳房を標的に,鞭を揮う時間である。
私も幸子も参加するだろう。
陽は傾きかけている。
彼女達はそのオレンジ色に染まりつつある紺碧の海に向かって顔を上げさせられていた。
だから遠浅の海底が途切れた辺りに停泊している,エスペランサ3世号の姿も目にしているはずだ。
奴隷達を日本に運搬する壮麗白皙のクイーンは二十四時間後の出航に備えて到着していた。
鞭が空を切る。
叫び声が夕暮れに向かって放たれた。
陽が完全に沈み,天空にサザンクロスが煌めく時,その光を受けた彼女達が海のように透き通るのは間違いなかった。(終)